「リフレクティング･プロセス」とは，ノルウェーの精神科医トム・アンデルセンによって提唱された家族療法の手法です。彼は面接の休憩時間中に、観察室でのスタッフのやりとりを家族が観察できるようにしました。たったこれだけの工夫で、その後の会話は大きく変化したのです。

　今回は、この手法を事例検討に応用します。事例提供者はコンサルタントからケースコンサルテーションを受けてもらいます。その場面を他の参加者が静かに観察し，その後、参加者がグループになってこのケースから感じることを自由に話し合い、事例提供者と面接者がその話し合いを聞きます(リフレクティング)。そのリフレクティングをもとにさらにコンサルテーションを進めます。 互いの相互作用が進む中で、事例提供者を含め、全員の連想が広がり、新しい発想や気づきが得られます。


(どのように進めるか？)

この事例検討は、初めに事例提供者とコンサルタントがケースについて話し合います。その時、他の参加者はそれを観察しています。その後、参加者がグループになってこのケースから感じることを自由に話し合い、今度は事例提供者とコンサルタントがそれを見ています。その話し合いを受けてさらにコンサルテーションを進める、というようにやり取りを積み重ねていきます。

(何が得られるか？)

事例提供者は守られた中でケースについて語ることができます。互いの相互作用が進む中で、全員の連想が広がり、新たな気づきや発想を得ることができます。相互作用の持つ力を、ぜひ体験してみて下さい。